よあけ前。いちばんお兄さんのドーくん、つづいてレーくん、ミーちゃん、ファーちゃん、ソーくん、ラーちゃん、末っ子シーちゃんは、順序よく土の中に体をうずめて、ぐっすりねむっています。
背高のっぽから小さいの、ちょっぴり太っちょやお団子ヘアまでいろいろだけど・・・?
みんな、まっしろい胴体に、みどり色のあたま(髪?)。
そうです。これが、ながねぎきょうだいです。
おひさまがのぼると同時に「ポンッ!」 いっせいに土からジャンプ!
起きたとたん「おはようおはよう♪」ときょうだいたちは、手をつないで歌いだします。
ところが末っ子シーちゃんだけはお寝坊で、お兄さんお姉さんたちが「シーちゃんおきなさい♪」と歌ってもおきません。
でもおこさなくっちゃ。きょうは、やさい村の文化祭に出演するための、合唱のれんしゅうがあるんです。
さぁ、シーちゃんはおきるかな?
鈴木真実さんがパステルで描くながねぎきょうだいは、親しみやすく、愛らしさたっぷり。
よく見ると足がつきでるところ(服のすそのように見える)あたりに「ひげ根」らしきものも見えます!
朝、おひさまをバックに、「ポンッ!」と勢いよく地面から飛び出す場面には、子どもも大人も笑顔になっちゃいますよ。
文は、中川ひろたかさんですから、リズム感といい、明るくてほっとするきもちいいお話といい、親子で読むのにぴったりです。
おまけに、さらに中川さんらしく、巻末に楽譜がついています。楽譜を見ながら「おはようおはよう♪」「おきなさい♪」と歌ってみてくださいね。
陽気なながねぎきょうだいと一日、夜まで過ごしたような気分になれる楽しい絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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