深夜の学校を見回る警備員さん、そのうしろを追うように流れるヒトダマと、あやしい影。
不気味な表紙におっかなびっくり、おそるおそるページを開いてみれば、のっけからゾォ〜!
「同じ場所なのに、日が暮れると、様子がまるで違ってしまうところ。
それは学校です。
だから、学校に夜行ってはいけません。もし、行くとね……」
見開きいっぱいに広がる真夜中の学校。
よくよく探すとほら、あそこにもここにも、あるはずのない気配が……。
ページをめくって夜の学校へ足を踏み入れましょう。
そしてあなたは、その暗闇でうごめくななつの恐怖を知ることになるのです……。
「学校の怪談」をテーマにしたホラー絵本。
なかば大人向けにも作られた不気味な絵本や怖い絵本も多いですが、それらと違ってこの作品には、あくまでも子どもに訴えかけようというシンプルで原初的な「ホラー感」があります。
しかし子ども向けと安心していると、大人もしっかり驚かされますよ!
自分が小学生だったころに抱いていた恐ろしい空想を掘り起こされるような、そんな懐かしい怖さ。
それでいて、「夜中の学校」という非日常へのあこがれからなのか、未知の世界をのぞき見るワクワク感があって、怖いはずのそこが少し楽しそうのも思えたり?
裏表紙にはおぞましい笑顔を浮かべる、先生に化けた「なにか」。
そのもっとおぞましい本当の姿を知るためには、さあ、夜中の学校へ……
(堀井拓馬 小説家)
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