「がっこうのしいく小屋で、どうぶつをかうことにします。
おせわががりは一ねんせいと二ねんせいにしてもらおうかな」
朝礼で校長先生が言いました。
みんなはザワザワガヤガヤ。
どうぶつ、くさいよ。
どうぶつ、かえるとうれしいな。
まいにちおせわしなきゃならないんだよね。
ここで、先生がもう一言。
「どんなどうぶつがかいたいかは二ねんせいにきめてもらいます」
やったー!
なんの動物にする?
ゾウ? 恐竜? ライオン? ダチョウ?
うさぎ、ぶた、にわとりは?
長谷川知子さんが描く子どもたちの生き生きした姿といったら。
読んでいると一緒にわくわくしてきちゃいます。
どんなことがはじまるのかと、楽しみでたまりません。
けっきょく結論は、「ヤギを飼う!」ということ。
子どもたちはヤギの名前を決めたり、お世話係を決めたりします。
楽しみにして盛り上がる子どもたちの一方で、「どうぶつなんていやだ」と思っている女の子の姿もちゃんと描かれています。
生き物をむかえるドキドキ。
ついにやってきた、メスの黒ヤギ、オスの白ヤギ。
ごはんを食べたりウンチをしたりする生き物をむかえ入れ、世話することで、いのちを真剣に、身近に感じるようになるのでしょう。
本書は、新宿区立東戸山小学校の実践を取材して作られた絵本。
続編に『子ヤギがうまれたよ!』があります。あわせて読んでみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む