野原に落ちていた桃を見つけて、とりあいをはじめたトラネコのたまと、クロネコのブルース。
自分のほうがヒゲが長くてかっこいいとか、しっぽが長くてステキだとか、自慢しあいっこがはじまります。
ネコのくせにねずみがこわかったり、魚がきらいで捕るのもへただったり、木登りが苦手だったり・・・。
お互い、苦手なことをちくちくと責めあう、たまとブルース。
最後にはかけっこで勝負をつけることになりますが・・・。
さて、トラネコのたまとクロネコのブルース、勝ったのはどっち!?
・・・といっても、宮西達也さんのファンにはもうお分かりですね。
勝負のお話だけで終わらないのが、みやにしワールド。
お互いに「おれはこんなことができるんだぞー! こんなにすごいんだぞー!」って自慢したい気持ちは、人間誰しもある、心の動きです。
だけど、張りあっているうちに、だんだんお互いのことを心配し助けあうようになるのも、友達だからこそ、ですよね。
ネコを描いた宮西達也さんの絵本は『にゃーご』『ちゅーちゅー』、そして今回の『トラネコとクロネコ』で3冊目。
それぞれ違う心をテーマに描かれているそうですから、読み比べてみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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