みなさまは、古くから日本の愛玩犬として親しまれてきた
狆(ちん)という犬をご存知でありましょうか。
この絵本は、その愛くるしい姿を思う存分に堪能できる
「おいぬさま」の絵本でございます。
おいぬさまと申しましても、ただの犬ではございません。
珍しいものが大好きなお殿様がやっとのことで手に入れた「おいぬさま」でございます。
いやいや、姿形がめずらしいだけではございませんよ・・・。
驚いてはいけませぬ。このおいぬさま、腰をぬかすほど巨大なのでございます!!!
「おいぬさま、おやめくださりませ!」
「たれか、たれか ある〜!」
なんとも奇想天外、愉快な絵本をうみだしたのは
第2回白泉社MOE絵本グランプリを受賞された荒戸里也子さん。
お殿様のペットの「おいぬさま」が愛嬌たっぷりに
いたずらをしたり、お散歩をしたり、おしっこをしたり。
普通の犬のようにふるまっても、大きな大きな犬なもんですから
「おいぬさま」のお世話役をしているたくさんの家来たちが
まるで小人のように寄って集まって右往左往している様子に
たまらず笑いがこみ上げてしまうのです。
そしてもう一つ忘れてはならないのが時代設定と言葉遣い。
「どうじゃ、いぬめは きょうも そくさいであったか?」
「はは〜、ごきげん うるわしゅうございました。」
なんとも、読み聞かせにもってこいの絵本ではないでしょうか。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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