少年ラッセが庭で出会った、不思議な男の子の名前は「九月」。二人は一緒に庭をめぐり、花や野菜の精、やさしいりんご夫人たちと出会います。実りの秋の豊かな喜びを、美しい色彩で描き、何世代にもわたり愛されてきたスウェーデンの古典作品が、装いも新たに甦りました。
1920年の作品です。
ラッセという男の子が、庭で不思議な少年「くがつ」に出会い、二人はラッセのボールの行方を追いながら、庭の様々な植物の精霊(妖精?)たちと会話をし、歌います。ボールがラッセのもとに戻った瞬間、精霊たちの姿は見えなくなりますが、りんごふじんの優しい声は、ちゃんとラッセの耳に届きました…。
最近の派手でキャッチーなメディアにさらされている子供には退屈に感じるところもあるかも。途中、歌の文句の語呂やリズム感がイマイチのところがあり、さらに長いです。小さい子には難しいところもありますし…。
それでも、秋の訪れ、実りの喜び、自然への愛情が、たくさん詰まっているこの本。不思議と惹き付けられる何かがあるんです。
絵がとにかくキレイです。色彩も登場人物の特徴的なデザインも。
こんな庭で、私も美しい秋を過ごしたいなぁ。
好き嫌いが別れるかもしれませんが、一度は親子で読んでほしい一冊です。
4歳の娘は最後までじっくりと聞いていてくれました。ベスコフ作品、他にもどんどん読み聞かせたいです。 (いちがつにがつさん 30代・ママ 女の子4歳、男の子1歳)
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