野生動物がほとんど絶滅し、人類の文明も静かな滅びに向かう近未来。事故で昏睡状態に陥った13歳の少女エヴァが、目ざめて鏡の中に見たものは? そして、「ただ一人の存在」となったことを知ったエヴァが選んだ道は…? イギリスの実力派作家ディッキンソンが「記憶の移植」を軸に、人類の未来をになう一人の少女の姿を希望をこめて描く異色のSF。
ヤングアダルトから成人向け。
人間の世に疑問を投げかけ、命を問う。
チンパンジーやゴリラにやたら敏感になっちゃったりして、読後感がなかなか抜けなかった作品。
これでも児童文学、読みごたえ満点。翻訳も読みやすい。
引きこもりが大半を占める世。交通事故に遭って死の淵をさまようエヴァは、なんとしても生きて欲しいと願う両親によってチンパンジーの脳にエヴァであることの記憶を移植され、長い昏睡状態から目覚めます。
マスコミにさらされ、元のチンパンジーの本能を受け入れ、実験台になり、学校に行き……やがてエヴァがたどった道とは。
まず根底にある宗教感というか哲学が似ていて共感しました。
とはいえ、かなり皮肉な種の交代。新種は人間が作り出してしまうのでしょうか。近未来サスペンス。
いろんなことを考えさせられます。ぜひ考えてみて下さい。
今だと「猿の惑星」を連想してしまうでしょうか。 (てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子12歳、 )
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