あさ起きたら、かみのけがへんなかたち。
きょうは、たいせつな日だっていうのに!
あさごはんはトーストと目玉焼き。
でもトースターのやつったら、黒こげパンにしちゃうんだもの。
きょうは、たいせつな日だっていうのに!
でもね……、大丈夫。
とうさんが、かみのけをドライヤーでなおしてくれるし
黒こげパンのかわりにコーンフレークをもってきてくれる。
そして、お気に入りの上着のぶらぶらボタンをつけなおしてもくれる。
「おとこは これくらい できないとな。」って。
とうさん、すごい!
ぼくらは上着を着て、お花を買って
おいしいプリンを買って、でかける。
どこへ……?
さあ、どこだと思いますか?
答えは、かあさんがいる病院!
病室をドキドキしながらのぞく、ぼく。
かあさんの腕の中にいたのは、
ぼくの、おとうとだったのです!
きょうが、たいせつな日なのは、
おとうとがうまれた日だから。
ぼくが、おにいちゃんになった日だから。
“おにいちゃんになったからへいきさ”
“がんばるんだ!”と、少しはりきる子どもの気持ちと
口には出さないけれど、“がんばろうな”とでもいうように
そっとよりそう、とうさんの姿がすてきな絵本です。
家族がふえた、その「たいせつな日」を、
子どもは、子どもなりの思いで、
せいいっぱい晴れがましく受けとめていることが
すがすがしくつたわってくる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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「大切な日」をキーワードに、家族のつながりを思うお話
朝起きたら髪の毛は変な形で、パンを焼いたら真っ黒焦げで、お気に入りの上着のボタンはとれかかってる。今日は大切な日だっていうのに!でも、お父さんが僕の髪にドライヤーをあてて、コーンフレークをもってきて、上着のボタンも付け直してくれたよ。それから、お父さんとぼくはお出かけ。途中でチューリップとプリンを買って、向かったのは病院。今日は、お母さんと生まれたばかりの弟に会えるんだ!
「大切な日」とはどんな日なのか、読者が想像しながら読み進められるお話です。「ぼく」にとって、それは新し家族ができたうれしい日であると同時に、お父さんとの絆をより一層深めた日でもあるのです。
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