秋にぴったりの絵本が届きましたよ。
海辺の町と山奥の村を電車で結ぶ「うみやまてつどう」。
「うみやまてつどう」では、時々不思議なことや楽しいことが起こるみたい。
夏が過ぎる季節になると、決まって山奥駅にやってくるおじいさんがいます。おじいさんのリュックには絵の道具がたくさん。どうやら絵描きさんのようです。でも、駅にいた人たちはおじいさんの描いた絵を見てみんなびっくり!キャンバスには赤や黄色の目を見張るような美しい秋景色が描いてあるんですもの。外は、まだまだ青々とした緑の木々が・・・と思って窓の外を見ると、なんと絵に描かれたような紅葉の世界がいつのまにか広がっているのです。なぜおじいさんは紅葉するタイミングがわかるのだろうと、駅員さんたちの間でもうわさになっていました。そこには実は驚くべき秘密があって、それを偶然子どもたちは目撃することになるのです!
見逃してならないのは物語中盤のクライマックスシーン。
観音開きのページに隠された、色づいていく赤や黄色の山々は思わず「あっ!!」と声をだしてしまうほど美しいのです。物語の中にはまだまだ驚くことがいくつも隠されていて、美しい里山の風景と秋を愛でる楽しみが存分に味わえます。
大人気電車絵本『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』の作者・間瀬なおかたさんが贈る素敵なファンタジー「うみやまてつどう」シリーズは、いつもユーモアと優しさがにじみでて嬉しくなってしまいます。読み終わったあと、いつも電車に乗りたくなるのです。
電車から見る景色を、そこにある日本の美しさを大切に思わせてくれる一冊です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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