ヨシタケシンスケさんには、『りゆうがあります』で思いっきり笑わせてもらったばかりなのに。
追い打ちをかけるように、今度は『ふまんがあります』だって。
表紙の女の子の、どう見ても不機嫌な顔と「ふまんがあります」の吹き出し。
どんな「ふまん」があるのか、聞きたいような、聞きたくないような……ちょっと怖い。
「わたしは いま おこっている。
なぜなら、おとなは いろいろと ズルいからだ。」
女の子は意を決して、パパの部屋のドアをバーンと開けます。
「パパ!! わたしは ふまんが あります!」
さあさあ、くるよ。ふまんがくるよ。
「どうして おとなは よるおそくまで おきているのに、
こどもだけ はやく ねなくちゃいけないの?」
パパ、ピンチです。
「それはねえ…」
…すると!? 思いもよらない場面が繰り広げられます。
パパ、予想に反してとっても口が滑らか。『りゆうがあります』の男の子のひねり出す「りゆう」に引けをとっていません。そんな展開だったとは?
あとは、ひたすら笑っちゃってください。
「ふまん」VS「りゆう」の白熱する戦い、それはそれは見ごたえあるのです。
さて、最後に笑うのはどっち?
読み終わった感想は、さすが大人です。そして、さすが子どもです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む
『りんごかもしれない』『りゆうがあります』で大人気のヨシタケシンスケがおくる、親子で笑えるユーモア絵本!
わたしはいまおこっている。なぜなら、大人はいろいろとズルいからだ。ちゃんともんくをいって、ズルいのをやめてもらおう。
どうして大人は夜おそくまでおきているのに、こどもだけはやくねなくちゃいけないの? 実は、つぎのクリスマスのためにサンタさんからたのまれた調査員が「夜はやくねる子かどうか」をなんかいもしらべにくるんだよ。
どうしておふろにはいる時間を大人がかってにきめちゃうの? なぞのいきもの「おふろあらし」よりさきにおふろにはいらないと、お湯がなくなっちゃうからなんだ。
どうしておとうとが悪いのに、わたしばっかりおこられるの? 「おとうとのかわりにおこられてあげるやさしいおねえちゃん」って王子さまとかに、すっごい人気があるからだよ。
こどもにだって、ズルい大人にいろいろふまんがあるんです!
続きを読む