「つんつくせんせいといたずらぶんぶん」で第4回ようちえん絵本大賞を受賞した、つんつくせんせいシリーズ第9弾。
やさしいおじいさんが、雪にさらされるお地蔵さまに笠をかぶせてあげたことで、恩返しを受ける昔話「かさじぞう」。
つんつく先生とつんつく園の子どもたちは、「かさじぞう」にならって雪にさらされるおじぞうさんたちに笠をかぶせてあげました。
次の日、つんつく園に向かってやってきたのは、笠をかぶったおじぞうさんたちの行列。
ところがどうでしょう、おじぞうさんはつんつく園を通りすぎてしまったではありませんか!
つんつく先生と子どもたちは、急いでおじぞうさんたちを追いかけます。
「おじぞうさんたち、まってー! いったいどこにいっちゃうの!?」
「ま、まさかおじぞうさんがそんな方法で雪のなかをゆくなんて!」
おじぞうさんたちは、てるてるぼうずのような丸いシルエットで、なんだかとってもやわらかそう。
彼らの見せる予想外な行動が、愛らしくておかしい一冊。
いちばんのみどころは、つんつく先生と子どもたち、おじぞうさんたち総勢32人が、ひとつの部屋でわいわとにぎやかに過ごしている場面!
ちっちゃな顔にそれぞれがゆたかな表情をたたえて仲良くしているのを見ていると、いっしょに楽しい気持ちになってきます。
雪景色の絵本ですが、読み終わったときにはきっと、あたたかな心地になっているでしょう。
(堀井拓馬 小説家)
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