雪の女王にさらわれた幼なじみのカイを探し求めて、
ゲルダはひとり雪の国を目指して旅を続けます。
途中で出会う、すばらしい庭を持った魔女のおばあさん、王子と王女、
山賊の娘、ラップランドのおばさんにフィンマルクのおばさん…
やさしい人や動物たちに助けられながら、
ゲルダは愛と勇気を奮い起こし、進んでいきます。
凍ってしまったカイの心は、ゲルダの愛によって救われるのでしょうか?
アンデルセンの不朽の名作を、詩情あふれる小宮由さんの新訳で読むことができる幸せ。
そして、添えられているイラストの、他でみたことがないモダンで斬新な表現に、心がぎゅっと掴まれる一冊です。
北欧のテキスタイルのような美しい文様によって描かれているのが、
本書の一番の魅力でしょう!
じっくりご覧いただくと、ゲルダや雪の結晶、花や鳥など、
それぞれのシーンのモチーフが文様のなかに潜んでいて、
シンプルなのに想像力をどこまでも広げてくれます。
美しいイラストを手がけたのは、イギリス・ブライトンを拠点に活躍するテキスタイルデザイナーで、フィンランドのマリメッコ社でもデザイナーとして活躍したサンナ・アンヌッカさん。母方の故郷フィンランドでの、森や湖などの自然の体験が、この物語のイラストにもたっぷりと反映されているそう。イラスト作品は、『モミの木』に続く2作目になります。
子どもも大人もたっぷり楽しめる、上質なアンデルセン絵本。
ゆっくりとページをめくり、イラストを味わいながら、
ドラマチックな冒険と愛の物語をお楽しみください。
(編集者・ライター)
続きを読む