表紙にちょこんと居ずまいを正して座る、グレーのトラネコ。
ブルーの目と、ふわふわの毛並が、なんて美しいのでしょう!
彼女の名前はポーリーちゃん。
「かわいいね かわいいね」って言われていたら、
どんどんかわいくなっちゃったのだそう。
絵本はポーリーちゃんが生まれたばかりの頃から、
ステキなお嬢さんになった頃までを、
ポーリーちゃんに話しかけながら、ゆっくり時を刻むように紡いでいきます。
まるでお人形のようにきれいなポーリーちゃんだけど、
森へ出かけて、狩りをしたり、ときどき仲間とケンカをしたり、
「しょうらい なにに なるの?」との問いかけに、知らんぷりをきめてみたり。
仕草や行動は、ごくごく普通のネコそのもの。
身近にネコがいる人なら、「そうそう、うちの子もこんな感じ!」と
共感することでしょう。
作者は、生粋のネコ好き(もちろん、ほかの動物も大好き!)で知られる、どいかやさん。
色鉛筆の繊細なタッチで描かれた絵は、ポーリーちゃんだけでなく、
ネズミもウサギもトカゲも、それらを包み込む緑豊かな自然も
とっても愛らしく描かれています。
きっと、どいさんが「かわいいね かわいいね」と言いながら描いたんだろうな…と、
作品に対する作者の深い愛情が感じられる絵本です。
(木村春子 絵本ナビライター)
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