くまげらの子の巣立つお話です。親鳥に促されて飛び出したものの、不安で木にしがみつくのが精一杯。夜は見なれない景色と不思議な音におびえます。厳しい自然の中に生きる動物達のたくましさを、みごとに表現した絵本です。
クマゲラは、キツツキ科の大型・黒い鳥。
手島さんの版画絵に映える容姿です。
クマゲラのこの巣立ちの様子を描いてあります。
キツツキ科の鳥ということもあり、生態そのものが、木をつつく音とともにあるのですね。
巣穴を作り、餌の昆虫を捕獲し、たくさんの穴、穴、穴。
後半は巣立ったこどもの不安が描かれます。
木の穴が笑うように見える幻想は、なるほどの迫力。
寄り添うお父さんの姿が心強いです。
版画の持つ風合いが、この世界観にぴったりです。
小学生くらいから、感性を澄ませて感じてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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