ぼくが一年生になって初めてできたお友だち・ミリくんは、いつもこっそりと「このまちのひみつ」を教えてくれる。
「これは だれも しらない ひみつだけどね」
ミリくんが教えてくれるひみつは……
二丁目の角の犬は、本当は絶滅したはずのニホンオオカミ。飼い主の天才科学者は絶滅した生き物を次々とよみがえらせていて、もうすぐ恐竜たちがこのまちを歩き回る!とか、
三丁目の池の蛙は、魔女のお菓子を食べすぎた子どもたちで、魔女がお菓子屋のおばさんに化けて毒入りのお菓子を配り、月夜に手下を引き連れた魔女が飛んでいく!とか、
とにかく、子どもの想像力を掻き立てる、わくわくする「ひみつ」がどんどん登場します。
そんなミリくんの「最後のひみつ」とは……?
ちょっぴり切ない結末です。でもこの切なさがまた、子どもをひとつ大きく成長させるのかもしれません。
未就学児の読み聞かせでも、小学生の一人読みでも、どちらでもじっくりと楽しみながら読める内容になっています。
ミリくんが語った「ひみつ」について、「本当かなぁ?」と親子で話し合ってみるのも楽しいですね。
大人は「そんなわけないでしょ」と思うかもしれませんが、もしかしたら本当に、子どもだけが知っている「ひみつ」なのかもしれませんよ。
2016年2月に新創刊された、小学生の心に寄り添う「ぴっかぴかえほん」シリーズの1冊です。
(洪愛舜 編集者・ライター)
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