ねこのこどもがまってます。
まだかな まだかな
「おかあさーん」
「はーい」
きたきた、おかあさん きた。
ねえねえ、あそんで あそんで。
コアラの子、あしかの子、アヒルの子、
みーんな待っているの、おかあさんを。
そしてあたしも…。
「まだかな」とつぶやく子どもたちの、待ちきれない気持ち。戻ってきたお母さんの「はーい」という、それだけで安心感できる言葉。どちらにも、一緒に居られる時間を心待ちにする、あたたかい親子の愛情があふれています。
声に出して読むと、ゆったりとしたリズムで進みます。竹下文子さんの文章がとても心地よい絵本です。読んであげるお母さんも、おだやかな気持ちになれそうですね。
えがしらみちこさんのイラストは、繊細な水彩タッチで、透明感ある色合い。見ているだけでふんわりやわらかい気持ちになります。見どころは、動物の子どもたちや女の子の、もう待ちきれないという表情です。お母さんがお迎えに来た時のほっとした笑顔に、お母さんの存在の大きさが感じられますね。忙しいお母さんたちにも、そして、一生懸命に待つ子どもたちにも、この絵本を読んで、ほっこりした気持ちになってほしい、作者のそんなやさしい想いが感じられます。
待ちに待って、ようやくお母さんが戻ってきた時の幸せな気持ちがいっぱいつまったこの作品、ぜひ親子で一緒に楽しんでくださいね。
(編集者・ライター)
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