「がらくた学級」と呼ばれる特別クラスに振り分けられたトリシャは、型破りで温かいピーターソン先生のもと、個性豊かな仲間たちとともに、本物のがらくたから模型飛行機をつくりあげ、大空へと飛ばす夢にいどむ。
この作品は、作者「パトリシア・ポラッコ」の小学校時代の自伝を絵本にしたものです。
この作品を読む前後にぜひ手にしてほしいのは、「ありがとう、フォルカー先生」です。時系列的には、このおはなしの少し前の話になります。
本作品ではトリシャがなぜ「がらくた学級」なるところに入っているのか、漠然としかわかりませんが、「フォルカー先生」を読んでおくと、彼女がどんな子なのか、もっとよく理解できます。
最近は、学校社会での各種の“障害”について、考え方・受け止め方、指導の仕方もかなり変わってきました。
それでも、当事者の子どもたちを取り巻く環境は、まだまだこの絵本のトリシャのころと変わらないような気がします。
後にNASAのエンジニアになったギビーも、バレエシアターの芸術監督になったトムも、生地のデザイナーになったラヴァンヌも、素晴らしい個性を持っていてすごいと思いました。
なかでも、身体の成長が早すぎる病気を持っていたというジョディの、クラスの仲間を思って動いてくれていた一つ一つのエピソードが心に残りました。
作者は絵描きなので、絵本という形で、自分の子どもの頃のことを描いていますが、
「絵本」の枠を超えて、子どもの障害に携わるいろいろな人たちに読んでもらいたい作品です。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子22歳、女の子17歳)
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