奄美大島の海には、なぞのミステリーサークルがあるんですって。
ミステリーサークルってどんなものでしょう?
ぜひ絵本を開いて、海の中の写真を見てみてください。
海底の砂が丸く削られ、ふちにつみあげられ、ひだひだの模様がついた場所……。
本書は、水中写真家の大方洋二さんが撮影した、ふしぎな行動をする魚の写真絵本です。
その魚とは……アマミホシゾラフグ。
体10センチほどの小さな魚。
2015年に「世界の新種トップ10」にも選ばれた魚。
NHKの番組でも紹介された、この小さな魚が2メートルもの大きなサークルを作るわけが本書でわかります。
海底の砂がくっきり見える迫力の写真から、イラスト図解まで駆使して、アマミホシゾラフグの行動や生態が明かされます。
オスがメスのほっぺたをそっとくわえる場面の表情には思わずドキドキ。
敵を追い払ったり、「メスがきた!」とよろこんだり、魚にはこんなに表情があるのかと驚きます。
カメラに映し出された、奄美大島のきれいな海と星空に吸い込まれそうです。
本書は自然科学に興味をもってもらおうとはじまった、ほるぷ水族館えほんシリーズの中の一冊。
日本絵本賞を受賞した『ゆらゆらチンアナゴ』をはじめ『クラゲすいぞくかん』や『ジンベエザメのはこびかた』などわくわくする絵本がいっぱいです。
表情ゆたかな生き物に迫った写真、コンパクトな解説は子どもの「なんで?」という疑問を刺激してくれます。
総ルビなので一人読みにも安心ですよ。
海に住む生き物の世界をのぞいてみてくださいね!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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