落語家、立川志の輔さんがおくるお笑い絵本。
さて、その中身は……?
表紙の絵は、建物だらけの空の上をゆうゆうと、宝船にのって渡る七福神。
ページをめくるとアパートの一室で、ランドセルを椅子の背にひっかけた男の子がひとり腕組みをしています。
あしたはかくし芸大会。よっちゃんは山手線の駅をぜんぶいうっていうし、まーくんはぐーを口に入れるらしい。でもぼくは何もできない。
ぼくは民芸品があつめられた棚のいちばん上に七人並ぶ神様、七福神をながめます。
「このひとたちって、ねがいごとかなえてくれるんだっけ。」「たすけて かみさま〜」
そこへピンポーン!と玄関のチャイムが鳴り、扉をあけたら入ってきたのは七福神!
今からでもまにあう、かくし芸をおしえてくれるっていうけど……本当!?
福禄寿(ふくろくじゅ)がおしえる、小ばなしと変顔。
恵比寿さまの、かけ算わり算をつかったなぞかけ。
毘沙門天(びしゃもんてん)は漢字クイズをおしえてくれるけど……どれもいまいち参考にならない!
せっかくかみさまにおねがいしたけどどうなの!?
脚本のようにセリフの前に七福神の顔が描かれ、会話形式で読むことができます。
勢いよく読めば七福神のパワフルさが伝わるかも!
かくし芸ってなかなか難しいし、かみさまにたよりたくなるぼくの気持ちもわかるけど、七福神のよけい難しい芸に困っちゃったみたい。
「たすけて かみさま〜」とおねがいしたのに、やってきたのがこんな七福神だったら……どうしましょう。
あきらめ顔の男の子と、ユーモラスな七福神に思わず見入ってしまう絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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