黄色いボディーカラーと、赤いラインがぱっと目をひく「ぐるぐるでんしゃ」。
「うみやまてつどう」シリーズの間瀬なおかたさんが描くこの絵本は、山まわりと海まわりの2つの「ぐるぐるでんしゃ」、環状線のどちらかに乗ったつもりになって楽しめる絵本です。
プワーン。街中の駅を出発した2つの電車は、ビルのあいだを走ります。
グルグルデンデンと走って、海まわりの電車は「すいぞくえんまえ」に、山まわりの電車は「どうぶつえんまえ」に到着。
さらに走って、海まわりの電車は「おおきなみなと」に、山まわりの電車は「おしろまえ」に到着。
お城の中には「にんじゃがっこう」もあって、まるで迷路みたい!
同じ見開きに、海まわりの駅と山まわりの駅、ふたつの駅が描かれ、両駅を結ぶバスが走っています。
海の「ちいさなみなと」駅でおりて魚市場をのぞいたあとは、バスで山の「かわべ」駅へ。川下りして、露天風呂に入るのも楽しそう!
ちょっとしためくりしかけで、次ページへ風景がつながって見えるのが素敵です。
「えきをおりると、たのしいことがいっぱいあります。
どうぞごゆっくりおたのしみください。
ごじょうしゃのおきゃくさまは、あしもとにきをつけておのりください。
まもなくはっしゃします。
プワーン しゅっぱつしんこう!」
繰り返されるアナウンス、「プワーン グルグル デンデン」という音が耳に残ります。
街中(「真知中」駅)を出発した電車は、いなか(「井中」駅)について、海まわりは山まわりに。山まわりは海まわりの電車に変わります。そしてまた走りだす、エンドレスでぐるぐる走る「ぐるぐるでんしゃ」。
美しい自然の中の風景、駅のまわりの楽しそうな場所をじっくりごらんくださいね。
電車ごっこが好きなお子さんとぜひどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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