2004年刊行。雑誌の仕事で精神科病棟で生活する人を撮影。ひとりひとりと言葉を交わし、写真を撮影する中で、筆者はいろいろなことを考える。患者、その家族、病院のスタッフなどの協力と理解を得て出版された写真集。
身近にかなり暴力的な精神病患者があったので、精神科の病棟には、行ったこともないのに恐ろしい場所という思い込みがあった。
だからこの本を開くのも勇気が要ったが、案外、普通に楽しそうに暮らしていた。変なこだわりが強かったり、一見病気の人とは思えないような雰囲気だったり、なかなか平和に皆さんは暮らしていた。
撮影した筆者も、偏見や先入観がどんどんなくなっていき、一人一人の人に興味を持ち、撮影後もよい関係ができたという。
あまり入ることがない施設だし、積極的にかかわる場所ではないという認識だったけど、そこにいる人は、普通に暮らしていた。
ただ、その人の背景にはいろいろなことがあったのだろう。
少しだけ、人を見る目が優しくなったと思う。
いろんな人生があったのだ。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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