きょうは日曜日。パパとママとおにいちゃんとわたしでやってきた動物園。
でもここはちょっぴりおかしな動物園みたい。
まず、門のところから何か変。緑の生垣から、たくさんの生き物が顔を突き出してる。
中に入ってみると……、わあ、イルカやアシカがのびのび泳いでる。
あれ、ペンギンが飼育員さんの後をついて歩いて「もしもし、1ぴきちょうだいな」ってお魚をねだっている。
トラもライオンも、檻なんかなくて、みんな自由に歩き回っているみたい!
おひるごはんの時間には、子ゾウがミルクをのみ、シロクマはアイスを食べて、わたしたちもテーブルでサンドイッチ。
ページをめくれば、カラフルな鳥や、木の上で楽しそうなサルたち。
そこらじゅうに、自由にくつろぐ動物たちがいて……。
とにかく絵本のすみずみまで、描かれている動物園が魅力的!
本書は、人気絵本作家アリソン・ジェイの“文字のない絵本”に、詩人の蜂飼耳さんが文をつけたもの。
軽やかな言葉に誘われ、ふしぎな動物園の世界を、画面いっぱい味わえます。
巻末の「どこにいるのか、さがしてみよう!」「ページをめくってどうなるかたどってみよう!」という絵探しクイズにも夢中になっちゃいます。
飛ばされた帽子はどうなったのか、ダチョウのたまごはどこにいくのか、飼育委員はダチョウをつかまえられるのか?
あちこちに隠れているサイドストーリーをお楽しみに!
同じようにアリソン・ジェイの“文字のない絵本”に蜂飼耳さんが文をつけた作品に、『みつばちさんと花のたね』があります。
作者の遊び心があふれる絵本を、あわせて味わってくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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