ヤモリのやもじろうと、ハリネズミのはりきちは、あかちゃんのときから大の仲良し。
遊んで、けんかして、仲直りして、おやつを食べて…。
でもいつからか、やもじろうは、はりきちと一緒だとつまらないと思いはじめます。
だって、はりきちは、かけっこも遅いし、木登りもできない…。
「おれ、もう おまえとは あそばないから」とはりきちに宣言したやもじろうですが、はりきちは後をついてきて、困った顔で笑うだけ。
そんなはりきちに、いらだちを隠せない、やもじろうは…?
『ともだちや』『めっきらもっきらどおんどん』など数々の人気絵本の絵を描く降矢ななさん、待望のオリジナル絵本。
ユーモラスで切ないやりとり、かわいいやもじろうとはりきちに、心がぐーっと吸い寄せられます。
好きな友だちでも、得意なことがちがうとだんだん離れていってしまうのは、よくあること。きっと子どもたちにも経験があるはずです。
でも、得意なことがちがうからこそ、助け合ったり笑い合ったりもできる!
お互いを大切に思う気持ちは、変わらないんですよね。
本書は「得意なことがちがうともだち」にやさしいエールを送ります。
やもじろうの、ヤモリらしくもかわいい水玉が素敵!
はりきちのころんとした体の形や、おだやかな顔になごみます。
降矢ななさんの美しい色彩ととぼけた表情の動物たちがいきいきと描き出された絵本。
後半に登場する黒猫の、獲物をとらえたリアルな表情もお楽しみに!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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