20年近く親しまれてきたロングセラー「えほん百科シリーズ」の待望の改訂版。
知識欲・好奇心が旺盛になる4歳児にふさわしく、就学前に身につけておきたい知識・マナーが網羅された、集大成とも言える1冊。
この時期に芽生える、「なぜ? どうして?」の疑問に答える、知育絵本の決定版です。
「あいさつ」のページから始まりますが、2・3歳向けと違うのは「ありがとう」に加えて「どういたしまして」と言葉の受け答えが書かれているところ。
春夏秋冬や、行事の場面においても、言葉のやりとりがよりしっかり描かれています。
4ページ程度の短いおはなしでは、遊具のゆずりあいや思いやりがテーマになっています。
全体を通じて、コミュニケーションに焦点があてられ、会話による他人とのコミュニケーションを認知していく、4歳児向けならではの内容になっています。
個人的には迷路やしりとり遊び、まちがい探しなど「ちえあそび」のページがお気に入り。
“なんじかな”と時計を読む「じかん」のぺージや、「かんじ」「えいご」「うた」「からだ」のページもあって、遊びと学習がぎゅっと詰まっているのがたのもしい。
「いきもの」では、それぞれの生態だけでなく、「にくをたべるどうぶつ」「くさをたべるどうぶつ」などの分類や、「はやさくらべ」の比べっこなど、これ1冊あれば、興味・関心を育て、知識を吸収する上でも不足ありません。
定番の「のりもの」のページでは、各部位の役割や、駅改札や空港の仕組みなど、好きな子にとってはさらに詳しい知識を得られ、のりもの好きでなくても社会への関心が育つ工夫がされています。
“名前”“特徴”だけでなく、物事の“意味”や“役割”が書かれている内容に、親子ともに満足するはずです。
脳の大きさがほぼ大人と同じくらいになると言われる4歳児。博物学的な知能が伸びる時期でもあります。
地球・宇宙・自然についても触れられ、4歳児の思考力を育てる文句なしの1冊。
5・6・7歳になっても長く楽しめそう。ぜひ家の本棚に置いてあげたい本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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