山菜を採りに、山へ行った少女のあやは、迷い込んだ山奥でやまんばに出会い、咲き乱れる一面の花を目にします。そこは、山のふもとの人間が、やさしいことをひとつするたびに花が咲くという「花咲き山」。あやが咲かせた花もありました。それは、貧しい家の事情を察して、自分は我慢して幼い妹のそよに祭り着をつくらせてやったやさしさが咲かせた、美しい赤い花でした。
同じ斎藤隆介さんの原作を、滝平二郎さんの切り絵絵本では見慣れているのですが、梅田俊作さんの描いた絵の幻想感も素晴らしいと思います。
紙芝居として、ゆとりと間をしっかりと押さえているので、演じやすい作品だと感じました。
喜ばれるのは大人以上かもしれませんが、梅田俊作さんの持ち味が、滝平二郎さんの負けない感動をもたらしてくれる紙芝居です。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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