だいすきな「おともだち」を食べちゃった!? たのしくて、ちょっとだけこわい、 ゆかいなモンスターのおはなし!
びっくりするような衝撃的なタイトルが気になって本を開くと、いきなりの「おともだちたべちゃった」宣言。
えー!食べちゃったの?それ、ダメでしょ!本当に食べちゃったの?どんなお友達だったの?どうしてお友達を食べちゃったの?
さまざまな疑問と闘いながらページをめくると、このモンスター、お友達がいなくなってしまったことで泣いているではありませんか。食べちゃったんだからいないのあたりまえじゃない!と非難がましいような、呆れるような思いに駆られます。
けれど一方で、しょんぼりとしたモンスターの表情を見ていると、もしかしたら食べたら会えなくなっちゃうって知らなかったのかな?とか、もしかしたら大好きになると食べたくなってしまう、つらい定めの種族なのかしら?とかいった想像も出てきます。いいお友達で、大好きで、好きすぎて気がついたら好きが高じて食べちゃった感じなのでしょうか。
新しいお友達がなかなかできなくて、「たったひとりのおともだちをたべちゃったのかな」というつぶやきには深い絶望と切なさを感じてしまいます。本を読んでいる自分の立ち位置が、読み始めた時の「お友達を食べるなんて、なんて非道なっ!」という非難の気持ちから、若干モンスター寄りの葛藤の気持ちに変化し始めて来ていることに驚かされます。
そして、やっと新しいお友達が見つかりますが、嬉しそうなモンスター達の表情とは裏腹に、読んでいる側には、不穏な予感がよぎります。ページをめくるのが怖い。そして、あぁ、・・・!な展開に改めて衝撃を受けます。胸がざわざわして、でも、心に刺さるものがあって、これってなんなんだろう?と繰り返し読んでしまいます。 (りのこさん 40代・ママ 男の子11歳)
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