落語絵本シリーズなどで人気の川端誠さんが描く、言葉遊びと人情味たっぷりの「野菜忍列伝」シリーズ6冊目。
時代劇風の町並みの中にたつ、一軒の洋食屋。
そのお店のお手伝いのおかるちゃんが、店の前に水まきをしていて、通りがかった2人の侍に水をチャッポンとかけてしまったからさあ大変。
「ぶれいもの!」と侍は怒り出し、通りかかったキャベツ頭の少年がとりなそうとします。
しかしキャベツ頭の少年が「水かかる。足軽いかる」と言葉遊びのような歌を口にしたことから、バカにされたとさらに怒る侍。
侍の1人の風風(ぶうぶう)流・豚山ぶた吉は、怒りにまかせて刀を抜き、対してキャベツ頭の少年……伊賀の忍者キャベ丸は、忍術で応戦します!
顔の葉が開いたり、モンシロチョウの幼虫がムクムクと大きくなったりと、あやしげな忍術でぶた吉に対抗するキャベ丸。
もう1人の侍、新陰流・野牛牛兵衛(やぎゅうぎゅうべえ)との対決は……?
のんきな顔したキャベツ顔の忍者、伊賀のキャベ丸が主人公。
最後はキャベツと、豚肉と牛肉の合い挽き肉でおいしい料理ができます。
騒動のきっかけとなった洋食屋のおかるちゃんも一安心。
キャベ丸のおかしな術と冒険活劇、おいしい結末に笑える絵本です。
巻末の見返しには料理のレシピも載っていますよ。
本シリーズは他に『忍者にんにく丸』『あっぱれアスパラ郎』『なすの与太郎』『怪僧タマネギ坊』『風雲しょうが丸』があるので、あわせてどうぞ!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む