畳の部屋で大活躍!
みんなのおしりを支えたり、ゴロンと横になりたい時にはお布団がわり。
重ねたり、丸めたり、子どもたちの手にかかれば、あっという間に遊び道具。
確かにあると便利、ないと困るおざぶとん。
まさに縁の下のちからもち、「おざぶとん」。
だけど、まさか。
その「おざぶとん」が、絵本の主役になっちゃうなんて。
……しぶすぎない?
ところが、これが結構。
味があるのです。
「わしらは ちゃのまの おざぶとん。」
表紙には、部屋のすみで積み上げられたおざぶとんたち。
年季の入った個性的な面々が、茶の間でしっかり働きます。
家族のおしりを支え、子どもたちの遊び相手になり、おじょうちゃんと一緒に一休み。
あれれ、なんだかくたびれてぺっちゃんこになってるみたい。
そんなある日の晩御飯どき、事件は起こります。
お父さんがおならをして、驚いた家族の手や足にちゃぶ台があたり、ご飯がひっくり返って……おざぶとんが大ピンチ!
「ああ、もう なんということじゃ!」
かつて和室のあるうちには、当たり前に揃っていたおざぶとん。
確かにぺちゃんこの時もあれば、たまにフカフカになっている時があったな。
「夜露干し」っていうお手入れ方法があるんですって。
こんなに愛嬌があって、便利で、長持ちするんだったら……
おざぶとん、また我が家にも迎え入れたいな。
「ふんで ふまれて 強くなれ!」
あの座布団運びでおなじみの山田たかおさんも推薦していますしね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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