今日は雨。
じゅんちゃんはひとりでお留守番。
「だれか、あそびに こないかなあ……」
すると小さな声が聞こえてきます。
「あそびましょ」
りすさんが遊びにきてくれました。
「あそびましょ」
うさぎさんも。くまさんも。
みんなでおままごとがはじまります。
じゅんちゃんはおとうさん。りすさんはおかあさん。
うさぎさんはおねえさんで、くまさんはおにいさん。
すると、さらにひときわ大きな声でだれかが来ましたよ!
「あそびましょ」
来たのは、大きな大きなあの子です。
おままごとはなんの役になるのかな……?
お留守番をしているじゅんちゃんのところへ、次々と動物たちがやってきて、楽しい遊びがはじまる「じゅんちゃんとおともだち」シリーズ。実は、八木田宣子さん、和歌山静子さんのコンビで1977年に出版されたこのシリーズの中から好評だったこの作品の絵を、和歌山静子さんが絵を全面的に描き下ろし、リニューアルされたものなのです。
遊びの内容や、おままごとのその役割などが時代を反映して描かれています。でも変わらず堪能できるのは、じゅんちゃんと動物たちの愛らしさ!和歌山さんらしいシンプルでダイナミックな線から生まれる彼らは躍動感たっぷり。くまさんの毛並みもたまりませんね。雨の日らしく、みんなが自分のお気に入りの色の傘とながくつをはいてやって来るのも楽しいポイントです。
こんな風に、何十年経っても色褪せない遊びの世界こそ絵本にぴったりくるのでしょうね。またまた長く読み継がれていく予感がします!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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