「おにいちゃんが かえってきたら
おやつに しよう」
やったあ!
幼稚園から帰ってきたばかりのふみちゃんは大喜び。
だけどあれれ?
おかあさんとおしゃべりしているふみちゃんの恰好、なんだかすごい。
からだを思いっきり反らせて、頭を床につけて。
上手にブリッジのポーズをしているよ!
どうしてこんなポーズをしているのかというと……
ふみちゃんは「さかさまたんけんたい」なのです。
こうすると、なんでもさかさまになって、
いつも見えているものが別の何かに見えてくるんですって。
例えばお庭をのぞけば、いつもはいないはずのいきものがたくさん。
カメレオン、くらげ、トナカイにカッパ!
テレビのお部屋にも台所にも、チュウチュウねずみ、とんぼにロボット。
さかさまになった絵の中には、30個以上のものや生き物が隠れていると言うけれど。
……これがけっこう難しい。
どんどん見つけていくふみちゃんは、さすが「たんけん隊員」なのです。
ありそうでなかった、不思議で新しいさかさま絵本。
大人の私たちが真似しようとすると、なんだか首も脳内もおかしくなりそうで。
いかに世界を思い込みで見ているかってことに気が付かされてしまうのです。
見てください、ふみちゃんの満足そうな表情。
世界の広さを2倍に味わっていますからね、しかもみんなに秘密で。
読み終わったら、私たちも早速この「スペシャルな遊び」に挑戦しなきゃ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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