「の」は不思議
「の」は、いつもことばとことばのすきまにこっそりいます。けれど、この「の」が持っている魔法の力で、ことばとことばが思いがけない出会いをしたとき、そこには見たこともない景色があらわれ、聞いたこともない物語がはじまります。この絵本を開いてみてください。「わたしの お気に入りのコートの ポケットの中のお城の……」。不思議な「の」に導かれ、時間も空間もこえた、終わらない旅に出かけてみませんか。
まず表紙絵から引き込まれます。
題名も、「の」一文字、しかも小さく、金文字が存在感を放っています。
まるで主人公の吐息のように。
「わたし」からはじまり、「の」をつけてつなぐことで、物語が動き出します。
次々にクローズアップされる世界は、だんだん小さく?あるいは時空を超え、
まさしく天衣無縫。
たくさんの飾りで埋め尽くされた帽子は、赤毛のアンを彷彿させるようです。
小学生くらいから大人まで、まず、その世界観を感じてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
|