ある日、ドラゴンが村のそばの森にきて、やぎやうしをさらって食べるようになりました。とうとう動物がいなくなったとき、おひめさまや村人は、全員が一度に食べられるくらいなら、一日ひとりずつ、くじびきであたった人が命をさしだそうときめました。最初にあたったのはおひめさまでした。おひめさまが森へ向かっていくと白馬の騎士があらわれて……。スペインのカタルーニャ地方に伝わるサン・ジョルディ伝説をもとにした作品。
スズキコージさんの絵に圧倒されながら、良い意味で予想に反するお話です。
ドラゴンの出現で危機にさらされた村から、毎日一人ずつ人身御供を出そうと言う発想に、キリスト教的な献身を感じたのですが、王様もお姫様も同列でくじを引くとは思いませんでした。
突然のヒーローの登場と活躍が唐突なのも驚きました。
ヒーローとお姫様のハッピーエンドがないことにも驚きました。
スペインのカタルーニャ地方の伝説ということ、バラにも意味があったこと、行事とも関係があるということ、奥の深い紙芝居でした。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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