黄昏堂って、知ってる? 不思議な力のある雑貨を取り扱っていて、それを本当にほしがっている人のところへ現れる、怪しげなお店。
もう一度会いたい人がいる?
どうしてもほしいものがある?
どんな願いも叶うでしょう。使い方さえ、まちがえなければ……。
お代もお手頃、お値打ち価格! だけどお金じゃ、買えません。願いを叶えるその対価は、お客の記憶のひとかけら──
5分で読み終わるのに、おどろきの結末! 不思議な力を持つ雑貨を売る「黄昏堂」を中心に、その雑貨を使ったことで奇妙なできごとに巻き込まれてゆく人々を描いた、16のお話からなる短編集です。
友だちのウソに困っていた男の子が黄昏堂で手に入れた、金属のボール。それは、ウソをついた人間を、まわりにもそれとわかるように知らしめる道具だといいます。おかげで友だちのウソから身を守ることのできた男の子でしたが、なんとその道具、自分に対してつかれたウソだけではなく、たまたま聞こえただけのウソにも反応してしまうようで──「嘘つき発見レーダー」
受験勉強をせずに楽して志望校に合格するためには、どうしたらいいか。不屈の怠け心によって黄昏堂を探し当てた少年は、「減らしたいものの名称を書き込む」ことで、本当にそれを減らせる道具を手に入れます。受験のライバルを減らすために書き込むべき、二文字……。悩んだ末に名案を思いついた少年でしたが、なんだか、別のものが減っているような気が──「減少祈願札」
学校に宿泊する行事のレクリエーションとして、夜の校内をめぐる肝試しを企画した少女。彼女が黄昏堂で手に入れたのは、「この世とそうではない場所とを結ぶポイント」を、地図に示してくれるという道具でした。翌日、友人たちといっしょに肝試しのリハーサルをおこなうことになったのですが……。彼女は、道具を手に入れた対価として、決して忘れてはいけない記憶を手放していたのです──「怪談スタンプラリー」
まぬけなオチにひざを叩いて笑ってしまう話もあれば、はたまた、部屋にひとりでいるのが心細くなるほどゾクッとする怖い話も……。一冊で何度もおいしい、お得な読書体験!
一話一話はごくごく短いショートストーリーながら、それらの物語を追っていくごとに、ふしぎな雑貨店「黄昏堂」の謎めいた背景が少しずつ明らかになっていきます。
黄昏堂の美しい青年店主は、人間をかどわかして記憶を奪う悪魔か。はたまた、祈りと願いを叶える神か。すべては、道具を使うお客さましだい……。
(堀井拓馬 小説家)
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地図には載らない。探そうとしても見つからない。
幸運で不運な者、不運で幸運な者だけが、黄昏時にたどり着く。
店の名は【黄昏堂】。
累計20万部突破の『ラストで君は「まさか!」と言う』でおなじみ
「3分間ノンストップショートシリーズ」から「1話5分」で読める新シリーズが登場!
欲しいものに貼り付けると自分のものになる「お名前シール」。
幽霊だけが見えるようになる「霊視メガネ」。
相手の心の声が聞こえる「聴心器」。
不思議なアイテムを「記憶」を対価に売り渡す【黄昏堂】に今日も客人が訪れる。
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