ホタルを見たことはありますか?
都市部はもちろんのこと、自然の多く残る水辺の環境でさえ、今ではその数を減らしているホタル。
これは、そんなホタルを主人公にした、ちいさな国の物語。
国の名前は、インセクトランド――
昆虫たちの国、インセクトランドに暮らすホタルのアダムは、とってもはずかしがり屋です。
それなのに、ドキドキするとおなかが光ってしまって、みんなの注目の的。
「なんで光るの? あー、いやになっちゃうなぁ」
自分自身にいやけがさして、しょんぼり落ち込むアダム。
そんなとき、みんなで星空をながめるという星空パーティーに招待されます。
もしかしたら、また光ってしまうかも……
ドキドキしながらも、パーティーへ参加することにしたアダムですが――
NHK Eテレの人気番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」に登場する「カマキリ先生」として話題沸騰中の香川照之さんが、昆虫の魅力を楽しく子どもたちに伝える絵本シリーズを刊行しました。
本作の主人公であるホタルは、環境変動によって、世界中でその数を減らしているといいます。
「この絵本が、生き物たちとの共存について、親子で語り合うきっかけになると嬉しいです」
とは、あとがきに記された香川照之さんの言葉です。
互いの違いや仲間のコンプレックスを、インセクトランドのみんながどうあつかうのか?
その物語の結末から、あたらしい視点で自然を見つめなおすきっかけを与えてくれる、そんな一冊です。
また、巻末には本巻の主人公であるヒメボタルをはじめ、インセクトランドに住むキャラクターのモデルになっている、ヘラクレスオオカブトやハナカマキリといった昆虫についての豆知識も掲載されているのが、昆虫好きにはウレシイところ!
インセクトランドの物語はまだはじまったばかり!
今作にも登場している、インセクトランドの仲間たちの活躍を描いた続編も刊行予定です。
いろいろな特徴をもった、いろいろな昆虫が共存する国。
人の世界とどこか似ている、足下のちいさな世界に、目を向けてみてください。
(堀井拓馬 小説家)
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子どもたちに昆虫の世界の多様性、自然界の豊かな姿を伝えたいと企画されたのが、この「INSECT LAND」シリーズです。シリーズの一作目は、ヒメボタルの男の子のアダムくん。はずかしがりやでできたら目立ちたくないけれど、びっくりしたりドキドキしたりするとおなかが光ってしまいます。そんなアダムくんが、ほしぞらパーティーに出かけると……?
昆虫たちの心あたたまるエピソードには、子どもたちの生きる力を育むヒントが隠されています。
キャラクターになった昆虫たちの紹介コラムや、暗いところで光る蓄光印刷ページ(2ページ)も入るなど、お楽しみがいっぱいです。
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