ドイツに端を発し、古くから世界中で愛されている物語、『ほら吹き男爵の冒険』。
そんなほら吹き男爵を、「ルドルフとイッパイアッテナ」シリーズなどで知られる斉藤洋さんと、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞の高畠純さんのコンビが、絵本に生まれ変わらせました!
カールおじさんは、いつもおかしな話ばかりしているものだから、ほらふき男爵とあだ名されています。
彼は今、一頭の馬を連れて、寒いロシアで旅をしているところ。
ところが、さすがのほら吹き男爵!
彼のゆく先々では、ウソかマコトかわからない、珍妙な事件が勃発してしまうのです。
街を目指していたカールおじさん。
そろそろ到着するはずなのに、あたりは一面、雪景色ばかり。
しかたがないので、ポツンと雪に立っている一本の十字架のもとで、夜を越すことに。
ところが、その十字架には思いもよらない秘密があって――?
思わぬピンチもなんのその、旅をつづけるカールおじさんと馬。
雪の影からそれを狙うのは、おなかを空かせた凶暴なオオカミ!
オオカミは大きな口で、カールおじさんの馬を食べてしまいました!
ところが、なぜか旅は無事に進み、馬も自分が食べられたことに気づいてすらいなくって……
一体どうなってるの!?
「ほんとかなぁ……って? ほんときまってる!」
カールおじさんはそういって怒るのですが……
ほんとだったら、ロシアとはなんと不思議な場所でしょう!
ウソだとしたら、カールおじさんのなんと想像力豊かなことか!
荒唐無稽が過ぎて、思わずクスリとさせられる4つのお話!
これって、うそ? それとも、ほんと?
(堀井拓馬 小説家)
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