ゆめぎんこうって、不思議な言葉の響きですよね。
夢を預けられるのかな? お金に替えられるのかしら?
そんな疑問がわいてきます。
これは、カラフルなアメが並ぶお店を、店主のぺんぺんが、おじいちゃんバクのもぐもぐと一緒に切り盛りするおはなしです。
実は、ゆめぎんこうは、お客さまの夢を買ってアメに変え、それを売るところ。
おいしそうな色とりどりのアメは、元はといえばみんなが見た夢だったのですね。
大人気なのは、空を飛ぶ夢のアメ。
虹のすべりだいや、アメがふってくる夢も人気です。
でもね……、ぺんぺんは、おじいちゃんからゆずりうけたこの仕事をあまり好きではないんですって。
なぜなら、ぺんぺんはこわがりなのです。
真っ暗な夜に夢を買取にいくのはこわいし、しかもその夢がこわーい夢だったらと思うと……。
足がふるえてあたりまえだと思うでしょう?
ある夜、買取の依頼を受けて、おそるおそる向かったお客さまのところで、ぺんぺんはすてきな夢をいっぱい見ます。
でも最後に買取しきれなかった夢があって……?
あんな夢こんな夢、アメになった夢はどんな味がするのかしらと、想像したくなります。
夢の買取のため、夜道を歩くドキドキを、ぺんぺんと味わってくださいね。
かわいいもぐもぐの奮闘も、絵本を読んでのお楽しみです。
作者のコンドウアキさんは、人気キャラクター「リラックマ」の原案者としても有名。
ほのぼのとした絵柄の中、切ない味わいに、心がほろっとほどけるおはなしです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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