むかしむかし、おじいさんがおだんごぱんを作ってくれるようおばあさんに頼みました。けれど小麦粉がなかったので、おばあさんは粉箱をごしごし引っかいて粉を集めておだんごぱんを焼き、窓の下に置いて冷やしていました。 そのおだんごぱんがころころと転がり出し、家の戸から転がり出て、表の道を転がり野原でうさぎに出会います。 「ぱくっと食べてあげよう」と言ううさぎに、おだんごぱんは「おまえなんかにつかまるかい」って歌をうたって逃げ出します。おおかみやくまにも出会いますが、同じように歌をうたって逃げました。 でも「きれいにほかほか焼けてるね」と言われたきつねには、ごきげんで歌をうたってあげました。そして、きつねに「もう1度歌って」と言われたおだんごぱんは、きつねの鼻の上で歌をうたい「今度は舌の上で歌って」と言われ飛び上がったところを・・・ ・・・ぱくっと食べられてしまいました。
「おだんごぱんってどんなパン?」って思いますが、丸いパンがころころ転がって動物たちに出会うお話しです。 動物たちに出会うたび「ぼくは天下のおだんごぱん。・・・おじいさんからもおばあさんからも逃げ出したのさ。お前なんかに捕まるかい」という歌をうたって逃げるというくり返しが子供にはおもしろいようです。読んでいるうちに自然と歌に節がついたりしますが、読み手ひとりひとり違うのも楽しいですね。 もとのお話しは民話なので、ほかの訳や絵の絵本も出ているようです。この絵本はちょっと地味な色使いなので、手に取りにくいかもしれませんが、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。 ――(ひじり あい ;絵本ナビ オフィシャルライター)
ロシア、というよりヨーロッパの最も代表的な民話です。かまどからとびだしたおだんごぱんは、おじいさん、おばあさんや動物たちから、次つぎとうまく逃れてゆきますが……。
娘が幼稚園から借りてきて読みました。
文章が長くて読むのは大変でしたが、
最後まで興味深そうに聞いてくれました。
昔っぽい、古風な絵が素敵。
最後はちょっとかわいそうだったけど、昔の話って
こういう残酷な話が多かったりしますよね。
「おだんごぱん」というタイトルも味があっていいような気がします。
(りえちゃんママさん 30代・ママ 女の子5歳)
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