幼い子の複雑な気持ちと心の成長を描きます
ヒロの妹のアイちゃんは、1歳になったばかりの赤ちゃんです。おかあさんは、アイちゃんにかかりっきりで、ヒロのことをかまってくれません。ヒロはいらいらして「こわいトラだぞ おひげぴんぴんの らんぼうトラだぞ アイちゃんなんて、たべられちゃえっ」と、アイちゃんのベッドにトラの絵を描いてしまいました。するとその晩、「ウォーッ」といううなり声が……。国際アンデルセン賞受賞作家・角野栄子さんの楽しい絵童話です。
角野栄子さんとスズキコージさんのコンビということで読んでみたくなりました。
一歳のアイちゃんがいるのでヒロはいつも我慢してばかり。むしゃくしゃした気持ちでアイちゃんのベッドにトラを描いてしまいます。
おかあさんと話したい、一緒に寝たいという気持ちをくんで、ヒロと優しく関わってくれるおかあさんの姿がいいなあと思いました。
トラが出てくるところではハラハラとしました。
スズキコージさんの絵もいいですが、角野さんのお話もうまいなあと思いました。
最後にはほろっとしました。
上の子の気持ちという絵本のセレクションを作っているので、早速この本も入れました。
「ごきげんなすてご」と共に、上の子の気持ちを描いた本として、覚えておきたい本だと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子7歳)
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