猫のトムと飼い主のランスさんは、ある日、町の生活をはなれ、アフリカへと旅立ちます。大海原を渡り、カバの川をのぼり、危険いっぱいの草原を越え──。はらはらドキドキ、読みだしたら止まらない、愉快な冒険物語。
冒険物語というと『エルマーのぼうけん』をあげる人が多いと思うので
すが、私の中では、この『ネコのタクシー アフリカへ行く』が一押し
です。
多分、それは、日本人が作った話だからでしょうか? 話の展開やらユ
ーモアのセンスがすんなりと身に入ってきて、無理がないんです!
そしてとても名言の宝庫の本でした。中でも、ドクター・ジョンがネコ
のタクシーのトムに語る
「冒険のチャンスが来たら、つかまなくちゃだめだ。チャンスは、い
つ来るかわからない。ひょっとしたら、一生チャンスに巡りあわな
いかもしれない。冒険には、まいにちの生活では得ることのできな
いものがあるからね。そして人生にとってもっともたいせつなこと
は、冒険がおわったあとにわかるのだよ」
という言葉にはジーンとくるものがありました。まさに、自分の息子に
も冒険のチャンスがやってきて、絶対にそれを掴んで欲しいなと思いま
す。
また、第11章のわがままリカオンの話もとても考えさせられました。何
故、最初に団体行動をしなくちゃいけないのか。これはとても難しい問
いですが、こんな風に分り易く書いてくれると、すんなり耳が傾けられ
ます。
とてもとてもお薦めです。小学生の間に出会って欲しい話だなと思いま
した。是非、読んで見てください。 (汐見台3丁目さん 40代・ママ 男の子6歳)
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