ある日、うさぎが川のそばで遊んでいて穴の中に落っこち、たまごがひとつあるのを見つけました。
しかも中からコツンコツンと音が……。
あわてたうさぎは、めんどりに知らせに行きますが、一緒に元の場所へ行ってみると、もうたまごは割れていました。
生まれたのは、どう見てもひよこに見えません。
ずんぐり、むっくり、むちむちして……いったい何の子どもでしょう?
くちばしと水かきはカモみたいだし、体の尻尾と毛はビーバーみたい。
ちょっぴり照れてるところはリスにも似てる……!?
水の中を泳げる、この子はいったい誰?
「ぼうや、あなた いったい だれなの?」
「ぼく……、わかんない」
ビーバーやカモ、リスもやって来ますが、みんなわかりません。
「うわさの、むちむちくん」のまま、おはなしは進んでいきます。
しかし後半で、「むちむちくん」の正体がわかります!
(むちむちくん……なんてかわいい翻訳!)
本を読んで楽しい結末をたしかめてください!
個人的には、その生き物の生態が気になって、図鑑で調べてしまいました。
「たまごから生まれるのに、哺乳類?」と思ったのですが、まさにそのとおり。本当にめずらしいです。
さあ、これがヒントになったでしょうか。
気になったあなたは「あたらしいともだち」に絵本の中に会いに来てくださいね。
世界中で愛されるロングセラーを多数持つ、リチャード・スキャリーによって1953年に描かれた作品(1981年にリニューアル刊行)。
明るい色づかいと、動物たちの造形が生き生きとしてあざやかで、ファン必見です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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