子どもたちの大好きな雪。
大人は、寒いなあ、会社に行くのが大変だなあなんて思ってしまいますが、そうは思っていてもいざ家を出て雪を目の前にすると、いつもとは違う風景になんだかウキウキしてくるから不思議です。
この絵本は、ひとりの女の子が吹雪の中で不思議なものに出会うおはなしです。
雪がビュービューと吹きつけてくる朝、みちるはおねえちゃんと学校へ向かいます。
なかなか進めないみちるに、おねえちゃんは腰を曲げて歩くと歩きやすいよと教えてくれます。
「いち・に けむし」「いち・に ねずみ」
そんなふうにおねえちゃんとかけ声をかけながら歩いていたみちるですが、
「いち・に しろくま!」
といったところで、本当にしろくまが現れるのです!
びっくりしたみちるは、しろくまに気を取られているうちに、
おねえちゃんとはぐれてしまいます。
おねえちゃんを探すみちると、みちるについてくるしろくま。
吹雪がどんどん激しくなる中で、二人はどんな不思議な場面に出会うのでしょうか?
作者は『きいのいえで』第34回講談社絵本新人賞を受賞した、種村有希子さん。種村さんの描く雪景色は、寒そうなのに暖かさがあって、ページをめくる度に、幸せな気持ちになれます。
寒い冬の日に、あったかい部屋の中で読みたくなる1冊です。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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