日々生きがいもなく暮らす、年老いた猫。
カビが生えてだれにも食べられることなく忘れられたお団子。
そんな夢も希望もないような二人が出会って、そこへ偶然雷が落ちたらどうなるでしょうか……?
正解は、「妖怪になる」です。
しなしなでよれよれで、覇気なんてなかった彼らが合体して、ぴちぴちで生き生きした妖怪「おだんごねこ」に生まれ変わったのです!
どうやら彼らが望んでいた姿とは違うようですが・・・、元気があればなんでもOK!
さっきまでとは打って変わって、キラキラオーラであふれています。
妖怪「おだんごねこ」は、自分たちと同じような悲しみを持つ者たちの声を聞き、妖怪に生まれ変わる手助けをしてあげます。
ぬいぐるみやトマト缶、自転車やキャンディ、それぞれが合体し、新しい妖怪が誕生していきます。
へー、妖怪ってこんな風に誕生するんだなあと妙に納得。
そして、ないがしろにしてしまった身の回りの物への後ろめたい気持ちがチラリと顔をのぞかせます……。
物は大事にしないといけないなと反省。
「若おかみは小学生!」シリーズで人気の令丈ヒロコさんが生み出したキャラクター、「おだんごねこ」はとってもユニーク。
『ごめんやさい』や『おやすみやさい』などの「おやさい生活えほん」シリーズで美味しい食べ物をたくさん描いているわたなべあやさんの絵がおはなしをキュートに彩ります。
さてさて、元気を取り戻した元「物」の妖怪たち。
彼らはこれからどんな生き方をするのでしょうか?
コロナ禍で人気のあの妖怪も登場。ぜひ探してみてくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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