「みなさん、こんにちは。ぼく、ロバ。
くさが だーーーーーーいすき!
だい だい だい だい だいすきなの」
かわいいロバくんはご機嫌です。
「くさって、いいにおい だし、しゃきしゃきしてるし、あじが こい。
べろに ぴりっとくるのも いいかんじ。うーん、たまんない!」
でもお母さんは、あの手この手で、他の物も食べさせようとするんですって。
子どもがひとつの物ばかり食べてたら、やっぱり心配ですよね。
スイカ、りんご、バナナ、オレンジ、ぶどう。
どれも素敵な色でおいしそうなのに!
ロバくんは、ベッドも草で(起きてすぐ食べられるようにね!)、草にささげる歌なんか歌っちゃいます。
「♪くさ くさ くささーーーん どうして そんなに みどりなの? ああ きみのこと、あさも ひるも よるも たべていたい♪」
そんなロバくんですが、ある日、自分の姿を見てびっくり。
お母さんに「たべすぎ」って言われちゃって……!?
前半は“草への愛”が止まらない。
後半はちょっぴり種明かしをすると、他の食べ物もかじってみるロバくんが描かれます。
「おいしーーーい!」って思える物に出会えるかしら?
スペインの絵本作家、アヌスカ・アレプスさんの絵本が翻訳されるのは、日本でははじめて。
訳者は伏見操さん。気持ちいいテンポの言葉がぴたっとハマる、ナンセンスで愉快な絵本にファンが多いです。
一度読んだらきっとロバくんに心をつかまれます。
歌やせりふが耳に残ってクセになり、すぐまた読みたくなっちゃいますよ!
楽しい食育絵本としてもどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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