おたんじょう会というのは、プレゼントをもらえて、ケーキもたべられて、ちやほやしてもらえるらしい……。そんなうわさを聞きつけたおばけたち。「こうしちゃいられない!」と、おたんじょう会の乗っ取りを計画します。
主役のぼっちゃんになりすまし、お屋敷に向かうおばけたちでしたが、会場にいたのが、ぼっちゃんではなく1ぴきの犬だったからさあ大変!主役を間違えたーと、てんやわんやの大騒ぎとなります。
作者せきゆうこさんのカラフルでおちゃめな絵は必見。ごちそうが並んだパーティ会場の華やかさには心躍りますし、何より、おばけたちのコロコロと変わる大げさな表情が最高。ニタニタと笑っていたかと思ったら、真剣な顔になったり、驚いたり……。何度見ても飽きのこない楽しさです。
賢いのかと思ったら、詰めは甘いし、慌てもの。いつもトホホな結果になってしまう、ちょっと残念なおばけたち。でも常に真剣で全力投球だから、愛らしくて憎めないんですよね。
せきゆうこさんの作品には、他にもおばけたちが無謀な企みをするおはなしがあります。あの手この手を使って、ぼろ家を売ろうとする『おばけのおうちいりませんか?』。ハロウィンで驚かせるはずが逆に驚かされてしまう『おかしとおうちくれませんか?』などなど。ちょっぴりまぬけなおばけたちの、ドタバタ奮闘ぶりを、ぜひ親子で一緒に楽しんでください。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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ひとざとはなれた山奥に、おばけがふわふわただよっていました。おばけはいつも「なにかいいことがおきないかな?」と、ぼんやりすごしていました。
そんなある日、町に行っていたおばけが言いました。「今度、大きなおやしきで、ぼっちゃんのおたんじょうびかいが開かれるそうです。おたんじょうびかいというのは、プレゼントをもらえて、ケーキもたべられて、ちやほやしてもらえるんです!!」それを聞いたおばけたちは、主役のぼっちゃんになりすまし、おたんじょうびかいをのっとろうと計画しました。
まずは、ぼっちゃんについて聞いてまわりました。ぼっちゃんは、よく寝て、よく食べて、いたずらをする男の子のようです。そして、ぼっちゃんの写真まで手に入れました。
おたんじょうびかいの日、おばけたちはぼっちゃんや招待客に変装して、おやしきへとむかいました。豪華なパーティー会場に入ると、そこにはぼっちゃんではなく犬がいて……?
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