無人島に漂着しても、
この本さえ読んでおけば
肉にはこまらない!
わなの仕掛け方から、獲物のしとめ方、解体の手順まで、ていねいに解説。
狩猟ブームの火付け役となった著者による、子どものための「野生への手引き」。
狩りの基本や日々の生活をつづりながら、人間と自然との関係を深く見つめます。
狩猟をはじめてみてわかったのは、自然や動物たちのことを深く知りながら自
分の知恵を使って獲物を獲るということが、とてもわくわくすることだという
こと。
そして、自分自身の力で獲物を獲り、肉を手に入れるというのはやっぱりすご
いことだということ。はじめて獲れたシカと向き合ったときはめちゃくちゃ
ドキドキしたし、その生命を奪うときはとても緊張した。苦労して解体した
そのシカの肉を友人たちと食べたときは、疲かれ果てて味はよくわからなかった
けど、とにかくうれしかったのを覚えている。
——————<中略>——————
狩猟をするようになって、もうひとつよかったことは、動物の命を奪って
その肉を食べることに、責任をもって向き合えるようになったということだ。
動物好きだったぼくは、「自分は動物の肉をいつも食べているのに、その動物の
命を奪うのをほかの人にまかせっきりにしているのはずるいんじゃないか」
とずっと考えていた。
お金を払って肉を買うということは、お金を払うかわりにほかの人にその動物を
育てて殺してもらっているということだ。
それが自分で猟をして獲物の命を奪い、その肉を食べるという立場になること
で、ずいぶんと気持ちがすっきりした。肉を食べるために必要なことを全部
自分自身の手でできるようになったからだ。
「はじめに」より
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