自動販売機、じはんきくん。
黄色の体に、おいしそうなジュースがいろいろ詰まっています。
くまさんが来て、「やあ くまさん」「やあ じはんきくん」とお互いに挨拶。
そこで、じはんきくんがこう言います。
「すきな のみもの どーれかな?
なのなのな
ボタンを ぽちん! と おしてみて」
牛乳、りんごジュース、バナナジュース、みかんジュース……。
くまさんはどれを選ぶかな。
くまの次はうし、その次はねずみ。
じはんきくんは「なのなのな ボタンを ぽちん! と おしてみて」と言います。
でも……ねずみさんは小さすぎて、手がボタンに届きません。
どうやったら「ぽちん!」と押せるかしら。
そこへ、わにさんがやってきて……?
かわいいじはんきくんの表情がたまりません。
ボタンを押してもらうのを待っている、期待に満ちた顔。
ねずみさんの手が届かないときの残念な顔。
とうとう「ぽちん!」としてもらえた、じはんきくんの目の輝きといったら……!
好きなものを選ぶってうれしいよね。
じはんきくんもきっと、選んでもらうのがうれしいんでしょうね。
作者おおいじゅんこさんのあたたみのあるタッチ、工夫された立体的なニュアンスが素敵です。
「どーれにしようかな」「なのなのな」って、子どもはボタンを押したくなるはず。
やさしいワニさんにほっこり。じはんきくんににっこり。
幼いお子さんが楽しく遊べて、笑顔になる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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主役は自動販売機のじはんきくん。動物たちがやってくると、じはんきくんは「すきな のみもの どーれかな? なのなのな ボタンをぽちん! とおしてみて」といいます。動物たちがじはんきくんのボタンをおすと、ガッチャンポーン! お気に入りのジュースが出てきます。でも、あらら…小さなねずみさんはボタンに手が届かなくてがっかり。帰ろうとすると、わにさんがやってきて……。ハートフルな結末に、じはんきくんもにっこりです。
自分でなんでもやってみたくなる「やるやる期」は1歳半くらいからと言われています。自分で立ち上がり、動き出せるようになってくると、自分でやる!という主張が強まってくるようです。自動販売機のボタンをおしたがる子どもにぴったりな、ぽちんとボタンをおしたくなる絵本です。
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