孤独な少女マギーと特別なドラゴン、グリシャ。 深夜のザッハーホテルで出会った二人は、世界の垣根を越えて友情を育むが、 古都ウィーンには、いまわしい過去が封印されていた。
ドラゴン好きの子どもが見つけた本。
血湧き肉躍る冒険譚かと思いきや、ゆっくりと、じっくりと、あるドラゴンと少女の物語が綴られていきます。
主人公のドラゴンも、少女も、華やかな英雄的存在ではありません。二人は、人間界の変化に伴って訪れる魔法的な世界の危機に立ち向かうのですが、それはとても身近で現実的な戦いです。
1/3ほど読んだあたりからグイグイ物語に引き込まれ、最後に主人公の少女が選んだ決断に涙が止まりませんでした。
世界観は、『果てしない物語』に通じるところがあるかもしれません。
心に、大切に残った、一冊です。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子10歳)
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