人体ジェットコースター

大きな口からゆっくり入って、一気に最速で食堂を下るその先には、ドロドロの液がたまった胃袋があり、いったん上昇して向かうのは電気の信号でどくんどくんと動く心臓！ さらに体に必要な酸素を取り込む大事な肺を回って、今度は耳へ。いきなり外へ出たかと思うと、ぎろっ！と大きな目で睨まれながら脳の中へも……。

うーん、確かに人体って大アトラクション！こんなに迫力満点な冒険ってない。世界最速ジェットコースターで巡っても、次から次へと見たことのない不思議な光景と仕組みが目に飛び込んできて。そこではありとあらゆる成分たちが働いている。そのすごさに驚いているまま、ごぼぼぼぼ、ずぼぼぼ、うにょうにょときて、最後はあっという間に体の外に放り出されて思うのです。こんなすごいアトラクションが自分の中にもあるなんて……！？

大量の人物描写や細かい描きこみはお手のもの、絵本作家・中垣ゆたかさんのスピード感あふれる絵の世界で味わう人体の世界。この疲労感はクセになるかも。『からだのなかのびっくり事典』の奈良信雄さんによる監修で、人体に関する基礎的な知識も学べますよ。

（磯崎園子  絵本ナビ編集長）

一人読みは小学生＆＃12316；かなと思います