ペットショップの地下で、ガラスの中からじっとこちらを見つめるバーナバス。
ここは、秘密の新種生物を作る人工ペット研究所。
バーナバスはネズミとゾウのかけあわせで生まれたのです。
かわいく作られた生き物は、新しい人工ペットとして地上で売られます。
でも〈失敗作〉の印を押されたバーバスは……?
同じ棚に並ぶユニークな“できそこない”の仲間は20種以上。
作り直される運命から、みんなで自由になろうとします。
さあ、バーナバスたちは研究所から脱出できるのでしょうか。
世界10カ国以上の国で出版され、2020年カナダ総督賞・絵本賞、Amazon U.S.A 2020ベスト絵本に選出されるなど数々の賞を受賞。
現代の人気絵本作家、ファンブラザーズ(テリー、エリック、デヴィンの三兄弟)による冒険ファンタジーです。
透明感のある薄暗いブルー、やさしい色調が印象的。
全72ページの長編ですが、原田勝さんの訳はとても読みやすく、文も多く感じません。
バーナバスとその仲間たちの葛藤や友情をゆっくりと味わえます。
“(逃げるなんて)できっこない”かもしれなくても、やってみないとわからないし、〈失敗作〉なんてない!
個性豊かなキャラクターが力を合わせる姿が素敵です。
それぞれの特技や特徴も、絵から想像してみてくださいね。
ファンブラザーズの3人はカナダ・トロント在住の作家・画家。子どものころから物語やキャラクターをいっしょに考えていて、今作は兄弟3人で作った初めての絵本だそうです。
テリー、エリックのコンビの作品に『夜のあいだに』(原田勝 訳、ゴブリン書房)、『海とそらがであうばしょ』(増子久美 訳、化学同人)。
彼らが絵を担当した本に『くらやみのなかのゆめ』(さくまゆみこ 訳、小学館)などがあります。
これからもファンブラザーズからは、美しく、面白い絵本が生まれそう。目が離せません!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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ペットショップの地下に、秘密の新種生物をつくる実験室があり、そこに、ネズミとゾウのかけあわせ「バーナバス」もいます。「失敗作」のレッテルを貼られたバーナバスでしたが、何とか仲間たちと地下から脱出することに成功して…
【―ぼくは<しっぱいさく>?<かんぺき>じゃないかもしれない。】
バーナバスは半分ネズミで、半分ゾウの人工ペット。ここは、ペットショップの地下にある人工ペットの研究所。<しっぱいさく>の烙印を押されたバーナバスは作りなおされる運命に…。でも、バーナバスは自由を求め、できそこないの仲間たちと力を合わせて危険な冒険にのりだします。
主人公のバーナバス以外にもできそこないの人工ペットが多数登場しますが、それぞれユニークなキャラクターが魅力的です。モンスターズインクやセンダックの絵本が好きな方にも是非ご覧いただきたい絵本です。
【2020年カナダ総督賞・絵本賞、Amazon U.S.A 2020ベスト絵本】など数多くの賞を受賞!【世界10か国以上】で翻訳出版!世界的絵本作家【ファン・ブラザーズ】による珠玉の冒険ファンタジーです。同著『夜のあいだに』に続いて、原田勝(はらだまさる)氏の訳で日本語版の刊行が実現しました。
<ここがスゴイ!>
●何回も読み返したくなる!
作品は細かく世界観が作りこまれています。
例えば、主人公のバーナバス以外にも、個性的な人工ペットが20種類以上登場。
お気に入りの一匹を探しながら読んでみては?
●読み応えたっぷり!
全部で72ページの大長編。
1ページごとの文章は少なめに、心地よいテンポと頭に入りやすい文にこだわりました。
総ルビで読みやすく、特に就学前の幼児から小学校低学年生くらいの少し長めの絵本に挑戦したい方におすすめです。
さらに絵にもずっと見ていたくなる細やかで美しい描きこみがたくさん。
文章にも絵にもたっぷり浸れる、大満足の一冊です。
●ワクワク、ドキドキのストーリー展開
「しっぱいさく」のバーナバス。自由を求めて行動した先に待っているのは…?
スリル満点の物語は、人生の夢や希望、それに伴う葛藤や友情を温かく描いています。
子どもだけでなく大人も、映画を観るような感覚で楽しめます。
<著者・ファン・ブラザーズより>
『バーナバスの だいだっそう』を日本のみなさんにもおとどけできること、たいへんうれしく思います! わたしたち兄弟は、心から楽しんでこの物語を考え、絵を描きました。どうかみなさんにも楽しんでもらえますように。
<訳・原田勝氏より>
『夜のあいだに』に続いて、大好きなファン兄弟の作品を翻訳する機会をいただき、うれしいかぎりです。この本は、原作のカバーを見たとたん、ガラスびんの中から、じっとこっちを見ているバーナバスの瞳に心をつかまれてしまいました。物語はスリリングな脱走劇ですが、「みんな、ちがっていてあたりまえ、助けあって前をむいて進んでいこう」というメッセージがこめられています。でも、なにより、個性ゆたかに描きわけられた、二十種類をこえる〈できそこない〉の人工ペットたちの絵がとっても楽しい。どれも、まねして絵に描きたくなる「かわいい(?)」ペットたちばかり。読者のみなさんには、ページをめくりながら、好きなキャラクターの絵をたくさん描いてほしい!
<作・ファン・ブラザーズ>
テリー、エリック、デヴィンの三兄弟。カナダ・トロント在住の作家・画家。子どものころから物語やキャラクターをいっしょに考えていて、今作は兄弟3人で作った初めての絵本。
テリーとエリックは、著書に『夜のあいだに』(原田勝 訳、ゴブリン書房)、『海とそらがであうばしょ』(増子久美 訳、化学同人)。絵を担当した本に『くらやみのなかのゆめ』(さくまゆみこ 訳、小学館)。
<訳・原田勝(はらだまさる)>
1957年生まれ。東京外国語大学卒。埼玉県在住。英語圏の児童書・ヤングアダルト作品の翻訳を手がける。主な絵本の翻訳に『星の使者』(徳間書店)、『夜のあいだに』(ゴブリン書房)、『セント・キルダの子』(岩波書店)、『ぼくは川のように話す』(偕成社)などがある。
主人公のバーナバス以外にもできそこないの人工ペットが多数登場しますが、それぞれユニークなキャラクターが魅力的です。モンスターズインクやセンダックの絵本が好きな方にも是非ご覧いただきたい絵本です。
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