子どもたちにとって「ねむれない」のは切実な問題。そしてそれは、寝かしつけをする親にとっても、常に頭を悩ませますよね。世界一長く眠るといわれるヤマネのぼうやも、ねむれなくて困っているようです。
冬ごもりの季節。ヤマネのぼうやも眠る頃です。でも、目を閉じて丸まってみても、ねがえりをうっても、あくびをしてもねむくなりません。もりの動物たちがやってきて「ヒツジをかぞえてごらん」「こもりうたはどうかな?」「おはなしはどうかな?」とアドバイスをくれますが、みんな自分が先に眠くなってしまいます。けれどその時、ヤマネのぼうやはいいことを思いつきました。
こちらは10カ国以上で翻訳された、ドイツ発の人気絵本の日本版。きっと日本の子どもたちの眠りも助けてくれるはずです。このおはなしに登場するヤマネのぼうやは「オオヤマネ」。世界で一番大きなヤマネで、7ヶ月も冬眠できるいちばんの「ねぼすけヤマネ」なのだそう。ヤマネ研究家の湊秋作先生によるヤマネの解説も併せてお楽しみくださいね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
ヤマネたちが冬ごもりの季節を迎えました。でも、ヤマネのぼうやは眠くなりません。すると、ぼうやを眠らせてあげようと森の動物たちがやってきました。キツネはヒツジを数えることを教えたり、小鳥は子守歌を歌ったり、フクロウはお話を聞かせてあげたり……。でも、眠ったのは自分たちばかり。さあ、ヤマネのぼうやは眠ることができたでしょうか?
冬眠するころがやってきた、ヤマネ。でも、全然眠たくならなくて……。わかる! 眠ろうとすればするほど、眠れなくなるときあるものね、と共感しながら、よみすすめました。次々やってきてアドバイスする動物たちも楽しいです。絵もかわいくて、ねむるまえに読む絵本にもよさそうだと思いました。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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